替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする




「フェルナンさん、今夜、シャルアさんに会いに行きませんか?」

「私ならいつでも。」

「では、今夜...」



婚姻の儀から、パーティがあったり、パレードがあったり、いろいろと慌ただしくて、この一週間程、シャルアさんに会いに行けなかった。
話したいこともいっぱいあるし、早くシャルアさんに会いたかった。



「こんなところに、隠し通路があったとは、驚きだな...」

私はフェルナンさんと一緒に、隠し部屋に向かった。



「シャルアさん!」

「シャキア...」

「ここ数日、忙しくて来れなくて、すみませんでした。」

「良いのよ、そんなこと...」



会わなかったのはたったの一週間なのに、シャルアさんはその間にさらに痩せてやつれたような気がして、胸が詰まった。



「シャルア様、初めまして。
フェルナンと申します。」

「あなたがフェルナンなんですね。
どうか、シャキアのことを...そして、リゴレットをよろしくお願いします。」

「はい、最善を尽くします。」

「シャキア...良かったですね。
あなたが愛する方と結ばれたこと、とても嬉しく思っています。本当におめでとう。」

「シャルアさん...」

結婚相手のことは、すでにサンドラさんに聞いて、知っていたみたい。
シャルアさんは、目にうっすらと涙を浮かべながら喜んでくれた。
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