あの夏に見たあの町で


翌朝は強烈な頭痛で目が覚めた




カーテンの隙間から差し込む光から避けるために布団を頭から被る




昨夜は結局、終電の時間を過ぎて、閉店で追い出されるまで飲み続け、4人で焼酎のボトルを2本空けた




お店での支払いも、タクシー代も全部いつの間にか専務が出していた...気がする





正直、最後の方は酔いと睡魔であまり記憶にない




というか...方角が違うからと張本さんと有沢さんと別れて専務とタクシーに乗った所まではなんとなく覚えているが



その後の記憶が全くない





にしてもこの布団はフカフカで気持ちいい...




布団?




私は夏はタオルケット派だ...




痛みを伴いながらも頭が覚醒し始めた





この布団は私の物ではないことは確かなようで、ゆっくりと顔を出して周囲を確認する






うん、間違いなく




知らない部屋





痛む頭を左手で押さえながら起き上がる




うん、服は昨日のまま




皺苦茶になった服を右手で撫で、頬を触る




化粧も落とさず寝てしまった...




三十路目前だと言うのに...







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