あの夏に見たあの町で
新と私が出会った頃の話になるとテーブルの下でするりと密かに握られた手に驚いたけれど
なぜかその少しゴツい温かい手を振り払えずに握り返していた
大丈夫
もう新の話をしても哀しくなって泣いたりしない
新を想う人は私だけじゃない
新との思い出はいつだって楽しくて幸せで温かく優しさに溢れて私達の心の中にある
残された私達は前を向いて来る未来を歩こう
『私は幸せだよ』と新に言えるように