幼なじみとナイショの恋。
そうしてお母さんと二人、昇降口へと続く階段に足をかけた時だ。
「あっ!蒔田!まだいてよかった!」
慌てた様子で駆け寄ってくる大津先生に呼び止められ、私とお母さんは足を止める。
「どうかしましたか?」
何かと思いそう尋ねると。
「蒔田、尾上と連絡取れるか?」
「え……」
まさかの言葉が降ってきて、ドクン、と心臓が跳ねた。
恐る恐るお母さんを確認する。
思った通り。
さっきまでとは違い、お母さんの眉間には深いしわが刻まれていた。
先生はそんなお母さんの様子に気づいていないのか、さらに話を続ける。
「面談の前に、ちょっとアイツに伝えてほしいことがあってな。あいつと仲いいお前なら連絡取れると思ったんだが……。
ん?蒔田、どうかしたか?」
真っ青になっている私に気付いたのか、先生が心配そうに目を瞬かせている。
そんな……。
こんなことって……。
「……先生。それは、どういうことですか?」
ゴクッ…という音を立てながら唾が喉を落ちていく。
あと……少しだったのに。
あと少しで、はるくんとの日々を、はるくんの隣を、守り抜くことができたのに……。