幼なじみとナイショの恋。
どうしよう。
なんて答えたらいいんだろう?
“はるくんに会いたくて”
そんなことを言ったら、はるくんはどう思うのだろう?
はるくんを突き放したのは私なのに、呆れられてしまうだろうか……。
「……なんで、そんな格好してるわけ?」
「……え?」
はるくんは苦しそうに顔を歪めると、おもむろに私から目線を逸らす。
それから片手で目を覆うようにして、大きな溜息をつきながら項垂れて。
「……本当、勘弁して」
蚊の鳴くような小さな声で、そう呟いた。
「……っ」
その様子を見た途端、激しい後悔と羞恥心に襲われた。
やっぱり……こんなの迷惑だったんだ……。
はるくんの瞳に映りたいからってこんな格好して、みんなにおだてられて調子に乗って。
こんなの、私なんかが似合うわけないのに。
「ご……ごめんなさい……」
どうしよう。
今すぐ、消えてなくなってしまいたい……。
じわり目尻に涙が溜まっていくのがわかって、慌ててつま先に視線を落としていれば。
「はる!はるも早く中入って!みんな着替えに行ったよ!」
さっきのマネージャーさんが、はるくんを手招きしながら呼んだ。
はるくんは、一度も私を見ることなく、体育館の方へと戻って行ってしまう。