幼なじみとナイショの恋。
部活の後、俺はなわば無理矢理翔吾に連れられ、学校から二駅ほど離れた場所にある、繁華街の中のファミレスを訪れていた。
そこで、先に待っていた八木と合流して、翔吾の言う男子会ってやつが始まったわけだけど。
「てか、何で八木までいんの?」
「それがさぁ、今日生徒会の集まりで学校に行ったら、たまたま厚木と出くわして。“今日は女子会ならぬ、男子会をするぞ!”って誘われてさ。有無を言わさず強制参加」
「なるほどね」
八木も被害者の一人ってわけか。
「いいかぁ!?俺がいつまでも黙ってると思うなよぉ!?」
ファミレスのテーブルにバンッと手をつき凄んでくる翔吾は、まるで取調べ中の刑事気取りだ。
何だこの謎の状況……。
「大体な!どうしてお前みたいなヤツがモテるのか、俺にはサッパリわからん!顔か!?やっぱり世の中顔なのか!?」
「厚木、ちょっと落ち着きなよ」
「これが落ち着いていられるかっての!!こいつ、せっかく可愛い格好で会いに来てくれた蒔田さんに“勘弁して”とか言い放ったんだぞ!?蒔田さん、めちゃくちゃ傷ついた顔してたんだからな!?」
これじゃ男子会どころか、俺への鬱憤を晴らす会だろが……。
翔吾はふんっと鼻息を吐くと、グラスに入ったコーラを一気に飲み干す。
それから、袖でグイッと口元を拭った。