幼なじみとナイショの恋。
「とにかく、この雨酷いな。雨宿りするよ」
そう言って、私の手を引き歩き出すはるくん。
私はただ手を引かれるがまま、力の入らない体でついていった。
はるくんに連れてこられたのは、小さい頃はるくんとよく遊んだトンネル型の遊具の中。
昔は2人で入っても広く感じたのに、今は2人入るのでやっとの広さ。
それでも、雨宿りするのには十分だ。
「寒くない?」
膝を抱えて座る私の顔を、確認するように覗き込んでくるはるくん。
遊具の中が狭いせいで、必然的に近くなる距離に胸が高鳴る。
久しぶりに聞く優しいはるくんの声。
思わず泣きそうになるのをぐっと堪えていれば、「結衣?」とまた優しい声で呼ばれた。
「だ、大丈夫。夏だから寒くはないよ」
「夏だって、それだけ濡れりゃ低体温になる。とりあえず、これ着といて」
はるくんは、自分が羽織っていたシャツを脱ぐと私の体にかけてくれる。
「は、はるくんだって濡れてるのにっ……」
「俺は、体温高いから平気」
「……っ、あり……がとう」
どうしてそんなふうに優しくするの?
ずっと目すらまともに合わせてくれなかったのに。
この間だって、素っ気ない態度だったのに。
もう、私のことなんて、嫌いになったんじゃなかったの?
「雨が上がったらすぐ帰ろ。そんな格好じゃ風邪引く」
「……うん」
もしかしたら、これは夢なのかな?