幼なじみとナイショの恋。
さっきまではるくんが座っていた場所に、緊張しながらおずおずと座る。
「そんなに緊張しないで。大体のことは、さっき悠斗から聞いたよ。悠斗の気持ちは何となく気づいていたけど、結衣ちゃんも悠斗のこと好いてくれてたんだね」
「……っ、はい。すみません……」
「何で謝るの?悠斗の良いとこ気づいてくれて、母親としてはとっても嬉しいよ」
はるくんのお母さんは、優しく目を細めてそう言う。
母親の顔というやつをしていた。
嘘とかお世辞とかじゃなく、大切な息子への好意を単純に有り難いと思っている。そんな顔。
本心を言ってくれていると思う。
だけど、直ぐにその顔から笑みが消えて“あぁ、やっぱり……”と申し訳ない気持ちになった。
「嬉しいけど、困ったね……」
はるくんのお母さんは口には出さないけど、“困った”とは、恐らくお母さんとのことだろう。
テーブルに両肘をつき、組んだ手に顎をのせ考え込んでいるはるくんのお母さんに「あのっ……」と声をかける。
「この間は……いえ、今までずっと。お母さんが、すみませんでした!」
額がテーブルにつきそうなくらい頭を下げると、はるくんのお母さんが慌てて止めに入る。
「結衣ちゃん。顔を上げて?結衣ちゃんが悪いわけじゃないんだから」