幼なじみとナイショの恋。

はるくんのお母さんはそう言ってくれるけど、とてもじゃないけどそんなふうには思えなかった。


きっとお母さんのせいで、はるくんのお母さんをたくさん傷つけてしまったはず。


はるくんやはるくんのお母さんを異常なまでに毛嫌いするお母さんと向き合い、止めようとしなかった私も同罪といえば同罪なのだ。


こうしてはるくんのお母さんは優しくしてくれるけど、本当ははるくんに関わらないでほしいのが本音なのだと思う。


きっと、私がはるくんのお母さんの立場でも、同じことを思うだろう。



いくら言っても頭を上げない私に、はるくんのお母さんは「正直言うとね」と話し始めた。



「悠斗と結衣ちゃんがこういう関係になるのは、あまり良く思っていなかったんだ。たとえそうなったとしても、先の道は険しいでしょ?悠斗が傷つく可能性だってある。親バカと言われてしまうかもしれないけど、悠斗には、普通の恋愛ができる人と、幸せな恋愛をしてもらいたかったの」


「……はい」



はるくんのお母さんの気持ちはもっともだ。


誰だって大切な人に、わざわざ辛い思いなんてさせたくない。


私だって、はるくんの幸せを願っているからこそ、離れることを決意したんだから。


はるくんのお母さんは「ごめんね」と言って申し訳なさそうにしていたけど、私にはるくんのお母さんを攻める気持ちなんて1ミリも湧いてこなかった。
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