幼なじみとナイショの恋。

「本当だー。何で蒔田さん?蒔田さんて一組で超浮いてる人でしょ?」


「そうそう!あの人優等生なのはいいけどとっつきにくくて、同じクラスでも喋ったことない人ばっかだよ」


「えー。そんな人が何で尾上くん達と〜?」


「たまたまじゃないのー?」



後ろを歩く彼女達の言葉が棘のように胸に刺さって、冷や汗が背中を伝っていくのを感じた。


彼女達は、きっと私に聞こえているなんて思ってはいないのだろう。


別に嫌がらせとかそういうのじゃなく、これが彼女達の率直な意見なのだ。



そうだよね……。


私なんかが、はるくん達の側にいるなんてやっぱり“不自然”だよね。



「あ!そうだ!」


「結衣?」


「わ、私、やらなきゃいけないことがあるんだった!!ごめんね二人共!私、先に学校行くね!」



はるくんと厚木くんが不思議そうな顔をしたけど、努めて笑顔で「後でね!」と言って、私は二人を置いて学校へと駆け出した。














つい全速力で走ってしまったせいか、なかなか息が整わないまま1-1と書かれた教室に着いた。


周りが挨拶をしたり、昨日のテレビの話題で盛り上がる中を無言で通り抜け、静かに自分の席に着く。


もちろん、誰かが話しかけてきてくれるはずもない。


私はこのクラスの空気と一緒だ。



そう。実は入学してからもうすぐ一ヶ月。


私はこのクラスにまだ少しも馴染めていなかった。
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