いつか、眠るまで
「幸い、他に来てる生徒がいなかったからいいけど、いたら怒ってたわね。」
それは、先生が独り身だから?
でも、私も怒ってたかも。
近所迷惑、という点で。
「熱あるときは無理しちゃダメよ。我慢はよくないんだからね。」
「はい」
私だって、あれがなかったら今頃早退してたかもしれない。
そのとき、保健室の扉が開く音がした。
中に入ってきたのは、私をここまで運んでくれた人。
「失礼します。
未亜、大丈夫?」
その人は、私を見るなりそう言った。
「大丈夫だよ、那音。お姫様抱っこして運んだんだって?」