いつか、眠るまで
「可哀想だよね。」
息が止まる。
胸の奥が大きく揺れる。
スクバを持っている手に、力を込め、走って教室に行った。
信じたくない。
でも、本当にそうだったら…
やっとの思いで着いた教室は、より一層にぎわっていた。
けれど、私にはそれが「にぎわい」には見えなかった。
まるで、那音が転校してきたのように集まる視線。
けれど、それは決していいものでなかった。
教室に入り、ふと黒板に目が映る。
そこに書かれてあったのは───
【花園未亜は 病気】
【いつも体育を見学してるのは病気のせい】
【すごく可哀想な子】