いつか、眠るまで
「楠木くんには、言わないの?」
帰りの電車で、舞はやっと私の秘密に触れた。
「言わなくても、黒板見たらわかるじゃん。」
「それはそうだけど、楠木くんも未亜にちゃんと話してもらいたいんじゃないかな。」
「えっ?」
確かに、私だったらちゃんと話してもらいたいかも。
「でも、今更って感じしない?」
「そんなことないよ!!」
舞がガチの強気で言う。
周りの視線が一気に集まる。
「きっと、楠木くんだってちゃんと未亜の口から聞きたいに決まってるよ!
あの楠木くんだよ!?
未亜のこと、ちゃんと大事に思ってるんだよ。
だから…」
舞の目に涙が溜まっていく。