いつか、眠るまで
思わず その写真に近づく。
そこに映っていたのは、二人の幼い男の子。
一人はわかる。
「楠木くん、小さいね。」
「え、…あ、あぁ。
それ、小二のときの写真だから。」
小二、か。
どうりで幼いわけだ。
問題は、隣の眼鏡の男の子。
見覚えがあった。
必死にその記憶を探す。
次の瞬間、私は何かに包み込まれた。
温かいぬくもり。
耳元で、「大丈夫だよ」と言う。
そうだ。この人は……
「琉音くん…」
ふと呟いた言葉が、私の記憶を取り戻した。