いつか、眠るまで








そりゃ 声が全体的に暗いし。



「花園っちー、こっち見てよー。」



「やだ。」



「なんで?」



なんでって、そりゃあ…



「花園っち、俺のこと嫌い?」



「そういうわけじゃないよっ」



思わず左側を向いてしまった。



それが、罠だってことも知らずに。



「あ、やっとこっち向いた〜。」



楠木くんがニヤけている。



「楠木くん…」



どうしよう。
呆れて何も言えない。



「私、天井を見るのも 左側を向くのも嫌なの。」



気づくと、いつの間にか自分のことについて話していた。







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