君と特別な日を過ごす方法 ~長谷川誠の苦悩~
莉乃は抱き上げられたまま、俺を上から見下ろすと、

「ずっとまたご飯食べてないでしょ?いつもみたいにスープからだよ!」

そう言って、俺の唇に人差し指で触れるとジッと俺を見つめた。

まったく……その瞳が俺をまた誘ってることに気づいてないのか?

「わかった、莉乃が先で、飯は後でちゃんと食べるから」

莉乃の答えを聞く前に、俺は寝室へとそのまま向かおうとしたところで、フワリと唇が塞がれた。

「誠」

そしてゆっくりと言われた自分の名前に、俺はため息をついた。

「わかった。莉乃。用意して」
そっと莉乃を下におろして、小さくため息をついた。
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