君と特別な日を過ごす方法 ~長谷川誠の苦悩~
「はーい。あっ!」
そう言ったと思うと、莉乃はキッチンには向かわず、また俺にギュッと抱きついた。
「少しの充電終わってなかった」
3秒ほどで離れると、莉乃はキッチンへとパタパタと走って行った。

本当にこの天然小悪魔め……。俺はそんな莉乃の後姿をみながら大きなため息をついた。


あの後、無事?食事の後、莉乃とゆっくりすることができた。
またうとうとしていたようで、ゆっくりと目を開けるとスース―と寝息を立てる莉乃の顔がすぐ目の前にあり、俺はホッとして莉乃を見つめた。

周りの奴らは俺は女慣れしていて、軽く女なんてあしらってる。そんな風に思われている。
親父ですらまともに女と付き合わない俺だったから、初めのころは莉乃ともすぐに別れると思っていたらしい。
結婚すると言ったら本当に驚いていたっけ。

でも、本気の恋愛初心者の俺は、莉乃が大切過ぎて、好きすぎて、いつでもこうして腕の中に閉じ込めておきたいし、綺麗になった莉乃を他の男の目に触れさせたくない。
そんな心の狭い男だ。

あっ……ホワイトデーは……。

いいプレゼントを思いついて、俺はギュッと莉乃を抱きしめた。

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