イジワル専務の極上な愛し方
翔太さんって、本当に前向きな人なんだ……。それはこの三カ月、一緒にいて分かっていたつもりだったけど。

改めて、彼の気持ちの大きさを尊敬しちゃうな……。

「それなのに、彩奈はまだ俺のマンションに来ることを迷ってたみたいだよな。なんで?」

少し体を離した翔太さんが、ジッと私を見つめる。そんな彼に、おずおずと答えた。

「社長に、ご挨拶をした後のほうが、いいかなって思ったんです」

「ああ、なるほどな。でも、お前が心配することじゃない。俺が強引に誘った。それだけだから」

「翔太さん……」

翔太さんの素顔を知れば知るほど、彼の優しさに触れていく気がする。それに、包み込まれるような包容力も……。

「だから、彩奈があれこれ考える必要はない。それより、今夜も抱いていい?」

そう言った翔太さんは、私の返事を聞く間もなく抱き上げた。

夕飯は済ませてあるから、あとはゆっくりするだけ。そう思っていたけれど、まさかすぐに誘われるなんて……。

驚いたものの、まったく抵抗感はない。小さく頷きかけたとき、翔太さんが静かに言った。

「彩奈を、独り占めしたい。それを、今夜は感じさせて」
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