生真面目先生のちょっと大人の恋の話
13
結局私は次の日の朝、学校へ出勤した。

「一ノ瀬先生、熱を出したんだって?」

私が受け持つクラスの生徒と廊下でばったり会った。

「おはよう。随分早いのね。朝練でもあるの?」

私は毎朝のウォーキングをお休みにして、その分早く学校に着いていた。

休んでしまった分を取り戻さなければならない。

「そう、私は陸上部でしょ?今年から顧問になった吉永先生が熱心でね。数日前から朝練が始まったの。」

その女生徒…酒井さんはニコニコ話し出した。

私はその名前を聞いて、胸に痛みを感じる。

「昨年までの顧問は陸上を経験したことがなかったから、自分達で勝手に練習しているみたいだったの。でも吉永先生はすごく詳しくて、いろいろなトレーニング方法を取り入れてくれて楽しいの。」

彼女の笑顔は眩しい。

「こないだもね、同じクラスの野坂君が部活後に練習内容を相談に行ったみたいで、随分帰りが遅くなったって言った。」

< 133 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop