生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「へぇ~、一ノ瀬朝弥っていう名前だったんだ。」

背中から聞こえたセリフに、私は振り返った。

すると吉永先生は楽しそうに私を見た。

「俺の事、覚えていない?」

「えっ?」

やっぱり私が感じていた事は正しかったらしい。

でも…。

「すいません、私達はどこかで会っていますよね?」

私は少し戸惑いながら言った。

「でもどこでだったのか思い出せなくて…、ごめんなさい。」

私が正直にそう言うと、吉永先生は明らかにがっかりした様子を見せた。

「そうか…、俺の印象はそんな程度だったわけだな…。」

そして吉永先生は私をまっすぐに見た。

「俺はあなたの事を忘れられなかったんだけどな。だから神様にこんな偶然を感謝したいくらいだ。」

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