憧れのアナタと大嫌いなアイツ


「7年前のあの日、花乃に一目惚れしてから
ずっと、ずっと好きだったんだ

間違いなく俺の初恋・・・
拗らせてるけどな」

そんな・・・

「女と一度も付き合ったことねぇ」

聞いた話と違う・・・

頭をよぎる想いが届いたのか
続く答えは

「彼女は居なかったけど
不自由はしなかったな・・・
誘われたら断らなかったし」

期待を裏切らないタラシ発言

「顔も名前も覚えてねぇ・・・けど
相手も俺のことを好きじゃねぇ
外見と長谷川のネームだけにつられただけ
俺が欲しいのはずっと花乃だけだった」

不自由しなかった発言に
ざわついた胸が一瞬で凪いだ

そして・・・
ずっと想ってくれていたことを
嬉しいと思った

「俺の人生、花乃だけで良い」

そう言い切った柊は

「俺の初の彼女だな」

そう言って笑った

「彼女だったんだ・・・」
心の声がダダ漏れの私

「あ"?」
もちろん臨戦態勢の柊に

「だって、付き合ってって言われてない」

中学生か!と突っ込まれたっていい!
だってそこが引っかかるんだもん

頰を膨らませた私を見て
くくっと笑った柊は

コホンと小さく咳払いした後
「小柳花乃さん、俺と付き合ってください」

真剣な表情を作った








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