憧れのアナタと大嫌いなアイツ



気付かない振りで封印しようとしてきた想いが堰を切ったようにワッと溢れ出してきた


そこから止める手立てを考える暇もない程

芽吹き始める感情


『責任持ってトラウマ解消してもらわなきゃ割が合わないでしょ・・・』

麻美との会話が頭に蘇ってきた

ーー責任ーー

違う!そうじゃない
責任取って一緒に居て貰う関係なんて嫌だ

“好き”とストレートに気持ちをぶつけてくる柊に気持ちで返したい


行き着く気持ちが妙にストンと胸に落ちてきた


「・・・花乃」


頭の上にポンと手を乗せられて目線を合わせるように首を傾けた柊と目が合って焦る


「あ、え?、なに?」


いけない!また妄想の中だった・・・

違う意味で頰を染めると
息がかかるほど間近で笑った柊は

「花乃の百面相、可愛いな」

そう言うと、頭に乗せた手をポンポンと動かした

「・・・からかわないで」

ウッカリ忘れそうになるけど
花流と同い年の柊は年下

たった一つだけどお姉さん振って背筋を伸ばしたけれど


「そういう所も、可愛いな」


溶け出しそうな
極上スマイルで極甘の雰囲気を作り出した








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