異世界トランスファ
葬儀が終わり、家に帰っていた途中だった。


センリが別の方向へ歩き出したのだ。


「センリ」


「心配しないで。すぐに戻る」


「・・やだよ」


私はかたくなに拒否をする。


「そんな顔しなくてもちゃんと戻るよ。約束する」


不安げな私の手をセンリはぎゅっと強く握った。


「俺には守るべきものもあるし、消えないから安心して」


「守るべき・・」


「そ。ちょっとこの間の人に会ってくるだけだから」


この間の人と言うのは白いドラゴンの人だろう。


「わかった・・何が食べたい?」


「なんでも・・あ、ヒオリの得意なものでいい」


「そしたらサラダになっちゃうよ」


「プ・・ハハ・・それでいいよ。お願いします」


「はい・・」


センリはそう言って別の道を歩くと鳥の姿で空へと飛んで行った。


「大丈夫だろ。今のセンリなら」


とギンが言う。


「どうして?」


「お前がいるからじゃね?」


私が?


私はわからず首を傾げながら家路についた。

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