異世界トランスファ
次の日、私がお昼まで布団の中にいたのは言うまでもない。

てかもういつもの事で、シズクちゃんも朝起こしに来ては私が自然と起きるまで放置してくれてる。


不健康生活健在。


だが今日は相手が悪かった。


「ん・・・」


ちゅ。


何か唇に感触を感じた。


私は寝ぼけたまま、まだ起きることが出来ずにいた。


するともう一回同じ感触が。


ちゅ・・。


「ん・・・」



キス、気持ちイイ・・。

と身を一瞬任せてしまった。

夢心地だったらからね!


え!?キス!?


私は目を見開いた。

無理矢理こじ開けた。



「うわっ!トキワ様!!!」


「なんだ、起きたか。可愛かったのに」


寝込み襲ってくるとか、この人はああああ!!

目の前には嬉しそうに笑っている王様。


「なななっ・・何をっ!」


「目覚めのキスを」


「い、いりません!そういうの!!」


「と、言う割には気持ちよさげにしていたが」


「ご、誤解です!寝ぼけていたんです!」


やっちまったああああ(泣)


油断ならない。今後もまた眠れない日々が続きそう。


「もう!突然いるのやめてください!心臓が止まりそうになります!」


「断る」


断るなあああっ!

職権乱用だ!


「シズクに聞いてもまだ眠っているというし、心配して来てやったのだぞ」


「だ、大丈夫ですから!不眠で体内時計がおかしいだけなんで!」


「ほおう?ではしっかりと眠れるように夜は添い寝を」


「いりません!」


シズクちゃんが遠くでクスクスと笑っている。

めちゃ楽しそうだな。


「シズクちゃんもグルになって~」


「いえいえ、グルではありません。もともと私のお仕えしているのはトキワ様ですから。命は絶対です」


ガーン。

裏切られた気分。

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