ヒロインの条件
猛然と考える。私が中学生のとき、佐伯さんが高校生のときに会った。千葉によると、結構近くにしばらくいた。近くにいる人って、かなり限られるけど……。
学校、道場関係、それから……家族。
『バカ兄貴に聞いてみなよ』
突然、耳に坂上さんの声が蘇った。
「バカ兄貴に聞いてみなよって、お兄ちゃん? でも私最初に疑ってそれで聞いたよね。それで『知らない』って言われたんじゃなかったけ?」
うーんと考える。
あ、そうか。私あのとき『佐伯さんって人知ってる?』って聞いた。
「佐伯じゃだめだ。塩見って聞かなきゃいけなかったんだ!」
私は自分の馬鹿さ加減に、悔しくて頭をくしゃくしゃーっとかき回した。だって一番最初の推理で合ってるんだもんっ。
私はスマホですぐにお兄ちゃんに電話をかけた。
ププププと通信の音がした後、『何?』とぶっきらぼうな声が出た。
「お兄ちゃん、塩見さんって知ってる?」
『は? 塩見?」
「そう、塩見日向」
『知ってる。中高一緒だった』
きたーっ! 当たった! お兄ちゃんの友達だ。
興奮のあまり涙目になる。