ヒロインの条件
「写真! 塩見さんの写真ってある?」
『おい、突然なんだよ』
立て続けに質問されたお兄ちゃんは、腹を立てたらしい。
「ごめんって。でも塩見日向さんのことが知りたいの」
そう言うと、考えるような間が空いて、それから『まさか、あいつ連絡してきた?』と言った。
「うん」
『チクショー、手出すなって言ったのに!』
スマホから飛び出してきた言葉に、私は心底驚いた。何があったっていうんだろう。私の知らないところで、いろいろあったんだろうか。
「いいから、塩見さんについて教えてよ。どうしても知りたいの」
私がいうと、スマホの向こう側で黙る。それから「写真は今は持ってないけど、家のHDDにコピーしてあるからそれを渡す。写真ともう一つ、渡すもんもあるから」と言った。
「何、それ?」
『それは渡すときに。明日暇?』
「うん、大丈夫」
『じゃあ、俺のマンションに昼頃こいよ』
「わかった」
私は抑えきれぬ喜びと興奮で、ソファの上に立ち上がって両手をあげた。
「やったっ。やればできる子!」
ぴょんとソファから飛び降りて、私は久しぶりに笑顔になった。