クロ薔薇
プロローグ
「あーめあーめ、ふーれふーれ、かぁーさんが〜…」

黒のワンピースが、お気に入りのワンピースが雨に濡れていく。
綺麗に巻いた髪の毛はぐしょぐしょに濡れて、見る影もない。
内股にまた、ドロリと生暖かいものが流れ出る。
その気持ち悪さに眉をしかめるも、どうしようもないことは分かっていた。

裸足で雨水を渡り歩く。

雨に打たれて。

私の頬にも暖かいものが流れる。

雨と一緒に全て流れてしまえばいい。

私の存在ごと、消えてしまえばいい。


14の6月梅雨の時期。
少し背伸びした私にバチがあたった。

私はそれを1人で一生……抱えていく。
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