3月生まれの恋人
彼は額の熱を確認すると
『まだ寝てなよ』
と言い、あたしをベッドへと押し倒した
『きゃ〜〜っ!』
ふぐっ!
『病人を襲う趣味はないから』
彼はあたしの口を塞いだままニヤリと笑ってそう言うと
ベッドから起き上がり部屋を出て行った
『嘘ぉ・・・』
前代未聞、史上最悪の朝
1LDKの部屋はよく見ると我が家と同じ作り・・・
まさか寄りによって“お隣さん”に拾われるなんて・・・
出来ることなら今すぐにでも自分の部屋へ引きこもってしまいたい所だが
いかんせん、肝心の“鍵”が無い!
日曜日で不動産屋も休みかと思うと、もうどうしてよいものやら何の対策も思い浮かばず
あたしは痛む頭を抱え込み、ふぅっと深く息を吐いた