諦めたけど好きです
片思いは燃える
A.M.7:45

「ふぁぁ~~~」

眠い。寝不足だ。

昨日、秀の告白されてるのを見てあんま眠れなかったなぁ。


私は校門をくぐった。

「おっはよー!」
「おはよう!」

2人同時に声をかけられた。

ユリナと海里だ。

こうやって見ると、カップルにしか見えないな…

「おはよう。いっつも一緒に登校してるの?」

「今日はたまたまだよ……………ねぇ、那奈?」

「なに?」

「…………やっぱなんでもないや」

?そう言われると気になるな…………

「何が言いたいの?なんでも言って…………」


「いたーーーーーー!!!」

「!?」

「見つけましたぁーーー!!!!!」


いきなり女子の大軍に襲われた。

「那奈先輩見つけたよ!」

「いたいた!」

次から次に女子が私を指を指しながら走ってくる。

大勢の女子に囲まれる海里、ユリナ、私。


「ど、どうしたんだ?」

大勢の女子に問いかけた。

「那奈先輩!つきあってください!」

「那奈さん、放課後あいてますか?もしよかったら私と…」

「お願いです…1回だけ『お前は俺のもの』だって言ってください!」

「学ラン着てください!」


なんじゃこりゃ!?


「お、落ち着いて!なんでそうなんってんの!?」

軽くパニックだ。女子達はキラキラした瞳で私を見つめてくる。

「あれ?知らないの那奈?」

ユリナが不思議そうに私を見る。

「何がだ!?」

「ほらっ!昨日の文化祭で私を庇って助けてくれたり、不審者をやっつけたりしたでしょ?それらを見ていた女の子たちがこう。ね!」

「ね!ってなんだよ!最後まではっきり言って!?」

「だから…女の子達の魅力的な存在になったと言うか…」

ユリナの目が泳ぐ。魅力的な存在?

「要するに、女の子達が那奈に惚れたんだろ?」

「まぁそんな感じ」

「…………………は?」


待って待って。よく意味がわからな………

「那奈さーん!もう1回バンパイアの格好してくださぁーい!」


「私もみたい!」

「おねがーい!!」

ちらほら聞こえてくる。

いや、あの


「………私一応女の子なんだけど…」


「「「「「男より那奈さんの方が好き!!!!」」」」


はぁぁ!?!?!?



「え、ちょっと押さないで……」

「キャッ」

私の回りにいた女子達がユリナと海里を押し倒して近づいてきた。

「…おいっ!!!!」

怒鳴るような声を出した。


女子達の動きが止まり静かになる。


「…………ユリナ、大丈夫か?海里も。」

「あ、うん。」
「別に平気」


「…………………私のことを好きとかカッコいいとか言ってくれるのは嬉しい。が、今ユリナと海里を押し倒してのは違うだろう。私を好きと言ってくれた子がそんなことをするのは嫌だ。」


沈黙が流れる。


やばっ、ちょっと強く言い過ぎたかな


「…あ、えっと……」



「……ごめんなさい」


謝る声が聞こえた。

女子達はさっきの元気が嘘のようにシュンとしてる。


「あ、えっと……次に気をつけてくれればいい。誰にも怪我がなくてよかった。」


「「「「「キャァァァ!!!!」」」」

びびった。


「那奈先輩が笑った!かっこ優しい!!、」


「惚れ直したかも!!!」


「え、いやあの」

「……わお。那奈はとことん女の子にすかれるんだね」

私みたいに。とウィンクするユリナ。

「ちょっと待って!俺は今初めて女の子にドキンッとした!!なんで!?」

海里の顔が赤い。



そしてこの日から「那奈さん同盟」が組まれたことをユリナから聞いた。

一応女の子なんだけどな……………





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