諦めたけど好きです
片思いは無くなった


「………那奈………俺じゃだめかな?」


……………………光樹…



私は泣きそうになった。



「……ありがとう……………光樹。」


でも、私は秀が好きなの。だから………………………ごめんなさい



たったこれだけの言葉が言えない。声がでない。


秀は好き。


光樹だって嫌いじゃない。



私はフラレる辛さを知っている。

想いが届かない悲しみも。

わかってもらえない切なさも。



私を抱き締める光樹の手の力が強くなる。



けど…………私は…秀が


「……光樹………………本当に私のこと大切にしてくれるの?」


「当たり前だ!!好きな女を大事にしたいと思うのは普通のことだろ」








…………………………ごめんなさい。






「こちらこそよろしくお願いします…」


ごめんなさい、秀。


「…え?ほ、本当に?俺と付き合ってくれるの?」


「…うん。光樹と付き合いたい……」

光樹の顔が驚きから喜びに変わった

興奮しているのか赤くなっている。



そして私を思いっきり抱き締めてくれた。


「……一生大切にするから…」


「ありがとう」

私も抱き締め返した。





これでいい。


私は光樹が好き。


これでいいの。



ーーーー


そうして私と光樹は付き合い始めた。


この話は学校中に広まった。



光樹といるととっても楽しかった。


辛いときも悲しいときも私を支えてくれた。



告白されてから2ヶ月が経った。


まだ私は………秀と1回も話せていない。


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