隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


恐怖で固まっていると後ろから助けの声が。



「加藤さん、お待たせしました。、、加藤さんが口説いてるその子、営業部課長の津川の彼女ですよ?あの人の者には手を出さない方が身の為です。あの人、、彼女の事になると仕事相手だろうが上司だろうが上層部の人間だろうが女だろうが見境いないんで。何人か社会的に葬られてるのでお気をつけ下さい。」


その言葉を聞いた加藤様が、途端に手を離し真っ青になりながら受付に背を向けた。






「やだな、松本さん。冗談ですよー。只のリップサービスですよっ、、!」

「それなら良かったです。鬼の居ぬ間に、、という輩が多いようなので。たかが2週間の出張くらいでピリピリして連絡してくる津川さんですからこれ以上機嫌を損ねると仕事がやりにくいものですから。、、、さ、お話はこちらで。」




ワザと大袈裟に言って受付から遠ざけてくれた男性は営業部で彼の次に顧客を多く持つ松本さんだ。

いわば松本さんは彼の右腕。




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