突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします

 ――婚約パーティー当日。

 用意されたボルドーのノースリーブのロングドレスに昨日創からもらったピアスをつけた私は、緊張した面持ちで会場であるハルオのホテルを見上げていた。

 ここは、今や我が社が所持する最も大きなホテルになっているが、もともとは祖父が最初に小さなお店から創めた特別な場所だった。普段から企業向けのパーティーなども多く行われていて、今日も千人ほどが入ることのできる宴会場を貸し切っている。

 少し前に創とおじい様と到着したばかりだったのだが、緊張のあまり真っ青の顔をしている私を見かねた彼が、外の空気を吸ってきていいと言ってくれた。

 まだかなり時間が早いから、ほとんど人が集まっていなくてよかった。こんな格好をしているから一応目立たないように裏口のところまで来たけど、創も打ち合わせに行ったし、私も落ち着いたら早く戻らないと……。

 深く深呼吸を繰り返す。

 私、変じゃないかな……。
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