突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
「前もそうだったけど、急にどうしたの? 朝までそんな――」

 言いかけて、ある考えが頭を過った。

 ……この前も、私が真紘と電話をしているときだった。まさか……。

「真紘のことが、気になってるの?」

 恐る恐る問いかけた。ただの私の思い上がりかもしれない。でも、そうだとしたら今までの不可解な態度にも合点がいく。

「創?」

 再び声を掛けた。眉間に深いシワを寄せていた彼が、そっと息をつく。

「お前は、あいつが好きなんだろ」

 静かに告げられた。予想もしていなかった言葉に、図らずも大きく目を見張る。

「あいつといるお前は、いつも楽しそうに笑ってる。俺には見せたことない顔で」

「それは……」

 言い終える前に、彼は私を覆い被さるように抱き締めた。

「頼むから、笑ってくれ」

「創……」

 悲痛な声に胸が痛む。

 押さえられた腕をなんとか抜いて、彼の背中に手を回した。小さく跳ねるのが伝わってくる。安堵させるように、何度もその背中をさすった。
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