突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします

 パーティーが始まると、私は集まった人の多さに驚いた。

 たしかに千人が集まれる場所を取ったけれど、こうして実際目にすると圧巻の光景だった。政界のドンと言われている国会議員を始め、財界を代表する経営者や実業者、世界的に有名な起業家までが一堂に会している。

 子供のころ何度か大きなパーティーに連れてこられたことはあったけれど、やはりタチバナグループと合同となるとその規模はさらに凄まじい。

 立食式じゃなかったら全員入れないところね。婚約発表だけじゃなく、ここにいる人たち目当ての記者もたくさん詰めかけているし、外は軽い騒ぎになってそう。

 手に取ったノンアルコールのカクテルを飲みながら、ため息をついた。先ほど壇上の上で、おじい様から私たちの婚約と、二社の業務提携が行われる旨が発表された。その次に創から挨拶があり、その場で私も壇上に上がった。それからふたり、今まで挨拶に回っていた私の身体はとっくに限界を迎えて音を上げている。

 ニコニコしすぎて、家に帰っても顔が戻らないかもしれない。なんてくだらないことを考えた。

 これでも私はやっとひと息つくことができたが、彼に至っては始まってから一時間以上たった今もまだたくさんの人に囲まれている。
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