突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
「伝えてくれて、本当にありがとう」
できる限りの笑顔を見せた。そうしないと、今にも涙が溢れ出しそうだった。唇を噛み締める私を見て、彼はふーっと肩で息をつく。
「相変わらずガサツな女だな。こんなにすぐ、決断出しやがって。こっちが何年悩んだと思ってんだよ」
苦々しい口ぶりで言った彼は、その口調とは裏腹に、晴れ晴れとした顔を見せた。どこか嬉しそうに一瞬顔を綻ばせると、鋭い目つきで私を睨み付ける。
「嫁に行くなら、熨斗つけて返されるなんて許さないからな。俺の教育が疑われる」
「誰の教育よ」
いつもの調子で返したが、胸が痛くて張り裂けてしまいそうだった。
でも、彼の方がずっと痛い。
溢れる思いを意識の底に強引に押し込めた。
「俺、そろそろ戻るわ。お前も、適当に戻れよな」
言い終えた彼は、返事も待たずに足を進める。その後ろ姿に声を掛けようかと思ったが、私は言いかけて言葉を飲み込んだ。
心は決まっている。彼に伝える前に、真紘には本当の想いを話しておきたかった。
私が誰を好きになっても、今まで誰よりも近くで支えてくれていたのが真紘なのは変わらない。勝手だけど、家族よりも特別な存在だと思ってる。それは言わなくても、分かり合えていると確信があった。それが、きっと私たちが過ごしてきた時間の証だ。
できる限りの笑顔を見せた。そうしないと、今にも涙が溢れ出しそうだった。唇を噛み締める私を見て、彼はふーっと肩で息をつく。
「相変わらずガサツな女だな。こんなにすぐ、決断出しやがって。こっちが何年悩んだと思ってんだよ」
苦々しい口ぶりで言った彼は、その口調とは裏腹に、晴れ晴れとした顔を見せた。どこか嬉しそうに一瞬顔を綻ばせると、鋭い目つきで私を睨み付ける。
「嫁に行くなら、熨斗つけて返されるなんて許さないからな。俺の教育が疑われる」
「誰の教育よ」
いつもの調子で返したが、胸が痛くて張り裂けてしまいそうだった。
でも、彼の方がずっと痛い。
溢れる思いを意識の底に強引に押し込めた。
「俺、そろそろ戻るわ。お前も、適当に戻れよな」
言い終えた彼は、返事も待たずに足を進める。その後ろ姿に声を掛けようかと思ったが、私は言いかけて言葉を飲み込んだ。
心は決まっている。彼に伝える前に、真紘には本当の想いを話しておきたかった。
私が誰を好きになっても、今まで誰よりも近くで支えてくれていたのが真紘なのは変わらない。勝手だけど、家族よりも特別な存在だと思ってる。それは言わなくても、分かり合えていると確信があった。それが、きっと私たちが過ごしてきた時間の証だ。