突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
「結納が終わったあと、日菜子以外の皆には創さんがきちんと本当のことを話して回ってくれてたのよ。あー、あの約束っていうのは……創さんに聞きなさい」

 言い終えた彼女は、鼻歌を歌いながら出口の方へと向かう。制止しようとするが、今すぐ彼に聞きたいことが喉もとまで迫っていて、心の中で見事な葛藤が繰り広げられた。

 目尻をつり上げ、創に視線を流す。

「全部、創の仕業だったのね!」

 疑問をこのままにはできなかった。私の凄い剣幕に驚いた彼は、両手を見せて苦々しい面持ちをしている。

「どうしてこんな……」

 しかし、怒りは持続しなかった。しぼむように眉を下げ、彼を見上げる。彼はこぼれるような親しみを満面に浮かべた。

「ずっと、お前を手に入れたかったからに決まってるだろ」

 心が震える。頬がみるみる間に熱くなった。
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