突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
「……私もまだ実感ないけど、そうなったみたい。それを聞きに来てくれたの?」
そう返すと、彼はさらに怒りの色を深くする。見ると、いつも仕事のときに着ている白のワイシャツに黒のパンツ姿のままだ。片付けを終えて、そのままここへ来たらしい。
「そうなったみたいって、いいのか?」
「私の意志だけで決められる問題じゃないもん。会社のこともあるし、拒否したら結局お姉ちゃんが連れ戻されて結婚させられる。好きな人がいるのに、そんなのかわいそうじゃない? あ、お姉ちゃんの居場所って、わかっ」
「――お前はかわいそうじゃないのかよ」
食い気味に言葉は遮(さえぎ)られた。荒々しいのに、その中に彼の優しさがあるのを知っているから、反射的に口に微笑が滲んでしまう。
「皆のために自分を犠牲にして、知らない男と結婚って……。俺は――」
「真紘、心配してくれてありがとう。でも、私も、犠牲になるつもりはないよ」
これは皆が幸せになれる道だ。それに、〝あの約束〟もある。ここが、同じ家に生まれながら、選ばれなかったと今までのんきに過ごしてきた私の正念場なのだ。
「俺も連れていけ」
「えっ?」
驚き、身体を反らせる。目を瞬かせながら彼を見上げた。
そう返すと、彼はさらに怒りの色を深くする。見ると、いつも仕事のときに着ている白のワイシャツに黒のパンツ姿のままだ。片付けを終えて、そのままここへ来たらしい。
「そうなったみたいって、いいのか?」
「私の意志だけで決められる問題じゃないもん。会社のこともあるし、拒否したら結局お姉ちゃんが連れ戻されて結婚させられる。好きな人がいるのに、そんなのかわいそうじゃない? あ、お姉ちゃんの居場所って、わかっ」
「――お前はかわいそうじゃないのかよ」
食い気味に言葉は遮(さえぎ)られた。荒々しいのに、その中に彼の優しさがあるのを知っているから、反射的に口に微笑が滲んでしまう。
「皆のために自分を犠牲にして、知らない男と結婚って……。俺は――」
「真紘、心配してくれてありがとう。でも、私も、犠牲になるつもりはないよ」
これは皆が幸せになれる道だ。それに、〝あの約束〟もある。ここが、同じ家に生まれながら、選ばれなかったと今までのんきに過ごしてきた私の正念場なのだ。
「俺も連れていけ」
「えっ?」
驚き、身体を反らせる。目を瞬かせながら彼を見上げた。