突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
「晩飯まだだろ」

 並べ終えた彼が、次々にプラスチックでできた容器のフタを開けていく。オムライスやパスタ、生春巻きにスープまである。綺麗な色どりも相まって、さらに濃厚になる香りにお腹は今にも唸り声を上げそうになった。

「これ、あなたが……?」

「ほかに誰がいるんだよ。どっかの無遠慮な女が爆睡してなかったら食事して帰ろうかと思ってたんだけどな。テイクアウトでも文句言うなよ」

 彼は悪態こそついているが、気恥ずかしいのかこちらを見ずに話している。その姿が意外で眺めていたら、

「おい、いつまで突っ立ってるんだ。早く来い」

 と一喝された。我に返り、彼のもとへと駆け寄る。

「ありがとうございます」

 素直にお礼を言ってから、人ひとり分開けて私もソファーへと腰掛けた。
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