地球滅亡後の世界で、君と出会った秘密
「先程の続きをお話致します。
この星の皆は平和に生きるため、生まれて直ぐにとある機械を埋め込みました。
その機械は、自分が誰かを傷つけようとした時、体に微量の電気を流すのです。
この星の人々はその機械ができて以来、生まれて直ぐの赤ん坊の頭に埋め込む、という行為を続けてきました」
そう言ってマオは、自らの頭部を指さした。
「それにより、この星は平和になりました。技術も発展し、優れた機械の登場によって、人は働かなくても良くなったのです」
働かなくてもいい世界なんて、そんなものあるのだろうか。でも、そうなったらみんな幸せなんだろうな。
「ですが同時に、やりがいや生きがいまでも失っていきました。病気も全て治るようになった今、自ら死を選ばぬ限り、死ぬこともできなくなったのですが、生きがいを見失った人々の安楽死が多発してしまいました」
病気も全て治るって。自ら死を選ばない限り死ねないなんて。
技術の発展は、便利な世の中を生む代わりに、大切な何かを奪っていくのかもしれない。
「梨衣子さんは、『推し』という言葉をご存じですか?
人々の生きがいを見つけるために、推しを作ろうと〝王子〟と〝王女〟を作り上げ、それに尽くそうと考えたのです。ですが、権力はありません。一般市民の中から、性格と顔の良さで抜擢され、星の象徴的な存在としてそこにいるだけです。
もちろん、好きな人と結婚でき、結婚すればその位を退いて別の者が入る仕組みです」