夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

っ……嘘だ。
こんな人が、夢の……配達人なんてッ。

こんな事をする人が……っ。
人に夢を与える、あの人と一緒なんてッ……。


頭の中に浮かぶのは、幼い日に一人ぼっちだった私に優しくしてくれた大切な人ーー。

大好きな大好きな、私のヒーロー。


……の、ハズだった。



ッ……ヴァロン。

ヴァロンッ……。


っ……バロンッ!!

心の中で必死に叫んだ、その瞬間ーー。
いつの間にか私の心の中に居たのは、白金色の髪と瞳をした……彼。

……。

チリンッ……!!

リーダーが暴れる私のブラウスを脱がそうとした時。
胸元のポケットから、猫バロンの鈴が飛び出して、宙に舞って……。

地面に、落ちた。



「!……うわっ!!」


「な、なんだ……こいつッ!わっ……!!」


その鈴の音と同時に、私の耳に届く男達の叫び声。

取り囲んでいた男達は気を失って、ドサドサッと地面に倒れて行く。
< 114 / 475 >

この作品をシェア

pagetop