夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
……
…………。
「あ、アカリ様。
バロンの事なんですが……」
「!っ……えっ?」
去り際にローザが出したバロンの名前に、私の胸は再びドキッと高鳴る。
「午後には病院から戻るそうですが。
大事をとって二、三日は休養を、と考えております」
「あ、はいっ!
そ、そうしてあげて……下さい」
バロンが休養。
それはつまり、暫く私の召使いの任から離れるという事だ。
出会ってからほぼ休みもなしに、ずっと私の傍に居てくれた彼との時間が減ってしまうのは残念だし寂しいが……。
確かに休ませてあげたいし、正直今はどんな顔で彼に会ったらいいのか分からなかった私はローザの申し出を受け入れる事にした。
「では、帰宅したらそのように伝えます。
その間、アカリ様のお世話は私が」
「はい、お願いします」
私の返答を聞いて、ローザは頭を下げると静かに部屋から出て行った。