夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

さすが賭け事好きの集まるカジノと言うべきか。
突如始まった勝負事を観戦しようと、人はどんどん増える一方。

中にはバロンと大男の勝負をネタに賭け事を始める人達も現れ始め、今現在、”この店内で1番の盛り上がりをみせる場所”と、言っても過言ではないだろう。


そんな盛り上がりを見せる現場で、5杯目を飲み干した時。
暫く考えるようにしていたバロンが、口を開いた。


「あんたが勝ったら……。
欲しい物、何でもあげるよ。彼女以外ならね」

大男が勝ったら、代わりに欲しい物を贈るという大胆な発言。

これは絶対に負けないという自信の表れか、それとも挑発なのだろうか?

するとその言葉に、大男はグラスを置くと頬杖をついてフッと笑い、とんでもない物をバロンに強請る。


「あん?オレ様が欲しいモンだぁ?
ん〜……そうだなぁ~。
ヴァロン。奴が持ってる白金バッジ、かな」


夢の配達人ヴァロンの、白金バッジーー?!

この大男の要求には私だけじゃなく、さすがに周りの観客も驚いていた。
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