夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

***

「……ど、どうぞ」

お風呂から上がって食卓に座るヴァロンの前に料理を並べると、私は正面に座ってじ~っと見つめた。

実はずっと別々に食事していたから、こうやって向かい合って自分の手料理を食べてもらうのは今回が初めて。


「ありがと。いただきます」

ヴァロンは手を合わせると、私が用意した朝食と昨日の夕飯を口に運ぶ。


ど、どうかな~?

ドキドキしながら反応を伺っていると……。
私の視線に気付いたヴァロンが、食事の手を止めてフッと微笑んだ。


「美味いよ、アカリの料理。
いつも、もっと食べたいって思ってる」

「!……ほ、本当っ?」

嬉しくて嬉しくて表情が緩む。
やっぱりヴァロンに褒めてもらえると、堪らなく嬉しい。
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