夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

「で、でも……。
さすがに、朝からこんなに無理でしょう?」

私が用意した料理は、ハッキリ言ってすごいボリューム。
昨日の夕飯のメインはハンバーグ。付け合わせにポテトにほうれん草のソテー。野菜サラダにコーンスープ。
そして、朝食用に焼いたフレンチトーストに生クリームと自家製のラズベリージャムを添えた。

ヴァロンとの朝食が嬉しくて、ついつい張り切って色々作ってしまった。


「余裕だよ。全部食える」

しかし。
ヴァロンは再び食事を口に運ぶと、私の心配をよそに手を止めずに次々と料理を片していく。


「い、一体その細い身体の何処にそんなに消えていくのよ」

「基本、任務中は食事しねぇからさ。
終わると一気に食いたくなるんだよね~」

唖然と見つめる私にヴァロンはそう言いながら、夕飯と朝食をペロリと完食。


いやいやいや……。
いくら一日中飲まず食わずでも、一気にこんなに平らげる人、いないわよね?

テーブルの上の空になったお皿の量を見て、嬉しいけど私は思わず苦笑い。
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