夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

けど。
どんなに頑張ってもどうにもならない事、あるだろ?

その証拠に……。


「明後日、アルバート様がこの別荘に参られます。
アカリ様の花嫁修業の成果を見たい、と……」

「……。え……?」

ローザ殿の口から、あまりにも勝手で残酷な……。突然のタイムリミットを告げられる。

与えられた場所で、必死に笑顔を咲かせてるアカリを……。運命はどんどん飲み込んでいくんだ。


「当初の予定では、アカリ様の18歳の誕生日までが花嫁修業期間。
しかし、お相手との交渉の結果。
誕生日当日に婚儀を行いたいそうです」


どんだけ、アカリの自由を奪えば気がすむんだよ。
大きな幸せを、アカリは望んだりしてないだろ?
暗闇の中で目の前に灯された微かな明かりを頼りに、歩いてるだけじゃねぇか。
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