俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい
そりゃバレるよね……不破さんのご両親のことはきっと桐原さんしか知らない事情だろうから。でも、決して言うまい。
背中に冷や汗を掻きながらも、なんとか平静な表情を保つ。彼は初めて露わにする険しい顔で私を見上げ、威圧感たっぷりの口調で言う。
「お前な……それは余計なお世話ってやつだ。俺にとって重要なのは会食なんだよ。それを勝手に変更するなんて──」
「変更したほうが、先方はご都合がよろしいようです。十二月二十六日は、佐藤社長の奥様の誕生日ですので」
彼の言葉を遮り、きっぱりと伝えると、眉根を寄せた厳しい表情がわずかに緩んだ。私はさらに続ける。
「奥様は、自分の誕生日よりも仕事を優先してほしいと長年おっしゃっていて、社長もその通りにしていたそうです。ですが、次の誕生日で奥様は還暦をお迎えになられることに気づき、今年は奥様と過ごされてはどうかと提案したのです」
不破さんがお墓参りできるように思案していた私は、以前、プロバイドフーズ時代に行った接待で佐藤社長がその話をしていたことを思い出した。
先方にとっても日にちをずらしたほうがいいのではないかと思い、一応交渉してみたのだ。
背中に冷や汗を掻きながらも、なんとか平静な表情を保つ。彼は初めて露わにする険しい顔で私を見上げ、威圧感たっぷりの口調で言う。
「お前な……それは余計なお世話ってやつだ。俺にとって重要なのは会食なんだよ。それを勝手に変更するなんて──」
「変更したほうが、先方はご都合がよろしいようです。十二月二十六日は、佐藤社長の奥様の誕生日ですので」
彼の言葉を遮り、きっぱりと伝えると、眉根を寄せた厳しい表情がわずかに緩んだ。私はさらに続ける。
「奥様は、自分の誕生日よりも仕事を優先してほしいと長年おっしゃっていて、社長もその通りにしていたそうです。ですが、次の誕生日で奥様は還暦をお迎えになられることに気づき、今年は奥様と過ごされてはどうかと提案したのです」
不破さんがお墓参りできるように思案していた私は、以前、プロバイドフーズ時代に行った接待で佐藤社長がその話をしていたことを思い出した。
先方にとっても日にちをずらしたほうがいいのではないかと思い、一応交渉してみたのだ。