俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい
思えば、彼はこれまで私の要求をすべて受け入れて、望んだ以上の愛やぬくもりを返してくれた。

アリサという呼び方をやめてと頼んだときも、謝るより愛してほしいとねだったときも、そして今も。

仰せの通りにしてきたのは、私だけじゃなく彼も同じだったのだと気づかされる。

これから先も、私はあなたへの想いと独占欲で胸を焦がしつつ、従順でいるに違いない。

だからあなたも、お気に召すままに、私を愛していて──。

尽きることのない望みを抱く間に、羽根のように優しいキスが舞い降りてきて、私は幸福に浸りながら瞳を閉じた。


 +*゚。End。゚*+


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