不覚にもアイツにときめいた
「あ!おーい!田中さん!あれ?遠藤君も一緒だったの?」


一緒に戻ってきた俺達を見て、近藤さんが声を掛けてきた。


「あ、トイレの途中で田中さんに会って。」


「あれ、そうなの?でもトイレと田中さんの行った道逆だよね?」


(あ、マジか。気づかなかった。)

どうやら俺はフラフラ歩いているうちに、反対へ向かっていた。


「あれ、そうでしたっけ?俺逆行ってました~」



俺はとっさにそう言ってごまかした。



「相変わらずだな~遠藤君は。」


「はは!すんません!あ、BBQの材料貰って来ましたよー!」


話を切り上げ、俺は貰ってきた食材をテーブルに置いた。


「ありがとうー!」



「よし!じゃあ焼こうか!」



「はい」



そして俺達はBBQの準備を始めた。


ジュー


しばらくして、お肉が焼けた。


「皆!焼けたよ!」


「はーい!」


そして皆がお肉を取っていく。



その時俺の隣に女子社員の根元さんが座ってきた。


(ゲ…根元さんか…。この人香水キツいんだよな…。)


だけど嫌な顔は出来ない。


「はい、遠藤君どうぞ🖤」



「有り難うございます!」


俺はとっさに作り笑いをした。


そして同時に


「私のもどうぞ🖤」


「有り難うございます!」


「私のも!」

女子社員が俺に次々と肉を渡してきた。


完全に板挟み状態だ。


そうこうしてるうちにお肉が減ってきた。


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