異世界で、なんちゃって王宮ナースになりました。
「国も性別も関係なしに、皆さんひとりひとりの力を患者さんは必要としています。だから、専門職として責任を持ってください。わからないことは教えます。逆に、私の知らないことは教えてください」
皆に向かって頭を下げると、空気が少しだけ和らぐのを肌で感じた。私は顔をあげて、パンッと両手を叩く。
「それでは始めましょうか。感染症患者の対応に自身のある方はいる?」
立ち尽くしているシルヴィ治療師長を無視して、私は皆と連携を取りながら処置にあたる。かわいそうだとは思ったが、彼のように女性だからと見下すタイプの男性には、結果を見せることでしか納得してもらえないと思ったのだ。
「この創傷の処置なんだけど、傷口を消毒してはだめよ。傷を治そうとする細胞に害があるから、治りが遅くなってしまうの」
私の話を聞いた治療師は「そうなんですか!」と驚きながらも、懸命に私の手元を見ながら話に耳を傾けてくれている。
「あの、石鹸とラップ……はこの世界にないわよね。オリーブオイルってある?」
「ええ、いま用意させます!」
そう言って物を取りに行く治療師の背を見送り、私は病院ではなく在宅でやっている創傷の処置の方法を思い出す。ガーゼではなくラップで傷口を塞ぐと傷の直りが早いのだが、この世界にはない。なので、あるもので手当てしなければならないことが難しいところだ。
「若菜さん、持ってきました!」
「その石鹸って、なにでできているの? 刺激が強いと、消毒と同じで傷にはよくないから、低刺激なものがいいのだけれど」
現代であれば弱酸性の泡石鹸を使うのだが、これもこの世界にはないので仕方ない。ただ、目の前に差し出された石鹸が茶色かったので成分が気になった。
「これはオリーブオイルと海藻灰でできた石鹸です」
治療師の言葉に私はホッとする。
植物油のオリーブオイルは低刺激性で肌にも優しい。どうやら、石鹸は使えそうだ。
皆に向かって頭を下げると、空気が少しだけ和らぐのを肌で感じた。私は顔をあげて、パンッと両手を叩く。
「それでは始めましょうか。感染症患者の対応に自身のある方はいる?」
立ち尽くしているシルヴィ治療師長を無視して、私は皆と連携を取りながら処置にあたる。かわいそうだとは思ったが、彼のように女性だからと見下すタイプの男性には、結果を見せることでしか納得してもらえないと思ったのだ。
「この創傷の処置なんだけど、傷口を消毒してはだめよ。傷を治そうとする細胞に害があるから、治りが遅くなってしまうの」
私の話を聞いた治療師は「そうなんですか!」と驚きながらも、懸命に私の手元を見ながら話に耳を傾けてくれている。
「あの、石鹸とラップ……はこの世界にないわよね。オリーブオイルってある?」
「ええ、いま用意させます!」
そう言って物を取りに行く治療師の背を見送り、私は病院ではなく在宅でやっている創傷の処置の方法を思い出す。ガーゼではなくラップで傷口を塞ぐと傷の直りが早いのだが、この世界にはない。なので、あるもので手当てしなければならないことが難しいところだ。
「若菜さん、持ってきました!」
「その石鹸って、なにでできているの? 刺激が強いと、消毒と同じで傷にはよくないから、低刺激なものがいいのだけれど」
現代であれば弱酸性の泡石鹸を使うのだが、これもこの世界にはないので仕方ない。ただ、目の前に差し出された石鹸が茶色かったので成分が気になった。
「これはオリーブオイルと海藻灰でできた石鹸です」
治療師の言葉に私はホッとする。
植物油のオリーブオイルは低刺激性で肌にも優しい。どうやら、石鹸は使えそうだ。