憧れの彼と、イイ仲になりたいんです!
地味な自分とは釣り合わない部分を次々に挙げていく。

だから不似合いなんです、と思いながら、自分には相応しくない相手だ…とつくづく痛感していった。



「憧れてる?俺、さっきから結構、無様なんだけど」


目を見開く彼が、何処が?って顔になる。

そう言われると言葉に詰まり、でも、ダメ出しのように「だけど、憧れなんです!」と言い返した。


「それ、答えになってないよ」


シビアに突く彼に益々弱る。
何と言えば分かって貰えるのか、つい考え込んでしまった。


その間も花火はドンドンと大きな音を上げて消えていく。

夜空も見上げないで悩む私は、周りからすれば、何の為に此処へ来ているのかと思われるだろう。



「……諸住さん」


坂巻さんは名前を呼び、取り敢えず、上を見なよ…と指差した。


「そろそろクライマックスが近いんじゃないかな。さっきから大きいやつばかりが上がるから」


そう言って微笑んだ。
彼の笑顔を見るとホッとして、目線を上に向け直した。

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